強制認知

未婚で妊娠!認知してもらう必要性はあるか

未婚の状態で妊娠してしまった…しかも相手は不倫相手…。結婚を考えてもいない相手との間に子どもができてしまった場合、女性は一人で子どもを産み育てることになります。

日本には父親である男性に認知をしてもらうという制度があります。認知をしてもらうことで大きく変わることがたくさんあります。認知という制度について、その内容や方法、守られる権利やメリットデメリットを解説いたします。

相手から慰謝料を請求したい方は、当事務所が運営する慰謝料請求の特設サイトもあわせてご覧ください。

認知とは何か

認知とはどういった制度なのでしょうか。まずは制度の概要について見ていきましょう。

そもそも認知とは?

婚姻をしていない男女の間に産まれた子どもを非摘出子と言います。「認知」とは、父親にあたる男性がその非嫡出子を自分の子どもであると認めることを言います。それによって父親である男性の戸籍に子どもの存在が加わり、子どもの戸籍の父親の欄には父親である男性の名前が記載されます。

法律上婚姻をしている夫婦の間に産まれた子どもを嫡出子と言います。嫡出子の場合には出生後夫婦間の子どもとして戸籍登録が行われます。そのため出生時点から父親と母親が存在します。一方で非嫡出子の場合は出生時点では父親が定まっていません。「認知」は、非嫡出子にとって法律上父親が定まるということにもなります。

ちなみに母子の間には認知という概念はありません。母親として分娩の時に当然に認知が成立するためです。

認知に期限はあるの?

認知には、原則として期限はありません。ただ後ほどもう少し詳しくお話しますが、父親または母親が死亡した場合には、認知の訴えのできる期限が死後3年以内と定まっています。

また子どもが出生する前に認知をする胎児認知や、死亡した子どもを認知するということも可能です。胎児を認知する手続きの場合には母親の承諾が必要です。また死亡した子どもを認知する場合には死亡した子どもに直系卑属がいる場合に限られるといった法律上の決まりがあります。

 認知のメリットとデメリット

認知された場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか。またメリットばかりではなく、デメリットについても考えておきましょう。

認知のメリット

・父親として子どもの扶養義務が発生する

認知がされると、父親とその子どもの間には父子関係が発生します。法律上親子間には扶養義務があり、父子関係にも子どもへの扶養義務があります。認知がされることで、子どもへの養育費の請求が可能になったり、あるいは相続権が認められたりします

・父親を親権者として定めることができる

認知をすることで父親とその子どもの間には父子関係が発生しますが、当然に父親が親権者となるわけではありません。ただ母親が親権者となることが難しい場合など、父母間の協議によって父親を親権者として定めることができます。 子どもにとって親権者が存在するかしないかということはとても大切なことです。

認知のデメリット

・手続きや費用がかかる

婚姻関係のない男女間の妊娠については望まない妊娠によることが多く、男性側が子どもを認知するということは、ハードルが高く簡単に認知されないケースは少なくありません

弁護士を挟んで交渉をすることや、裁判所を通じて強制的に認知をするというケースもあります。合意が得られるまでに長期間にわたり複雑な手続きが必要になり、金銭的な負担が大きくかかります。

・介護や借金など思わぬことが発生しうる

認知がされると父親と子どもの間には父子関係が発生しますが、それは将来にわたって継続されるものです。ゆくゆく父親が介護状態になった時の介護の世話を求められたり、あるいは借金など負の遺産についての相続問題が発生する可能性もあります 。

ただし、介護については必ずしも現実に世話をすべきとまではいえず、また借金は相続放棄をすることにより回避することは可能です。

相手男性による任意の認知

認知には2種類あります。まずは任意の認知について見ていきましょう。

任意の認知とは

非嫡出子の子どもを、父親である男性が自らの意思で自分の子どもであると認める(認知する)ことを任意の認知と言います。任意の認知が認められるには、認知する者(父親)とされる者(子ども)との間に血縁上の親子関係が存在すること、そして認知するものに意思能力があることが必要となります。

認知は出生前の妊娠中に行うこともできますが、その場合には母親の承諾が必要になります。また子どもが成人してからの認知は子ども本人の承諾が必要です。

子どもが亡くなっている場合でも認知ができますが、子どもの直系卑属がいる場合に限られます。それでも子どもに子ども(父親から見れば孫)がいるような場合であれば、認知により相続権が発生しますので財産を残すことも可能になります。

任意の認知は誰かに知られるの?

認知の手続きをする時には戸籍窓口に認知届を提出して行います。認知届の提出をすると、父親の男性の戸籍には認知をした子どもの名前が、認知をされた子どもの戸籍には父親の欄に認知をした父親の男性の名前が記載されます。

父親である男性にすでに家族がいた場合であっても、その家族に同意や承諾をもらう必要はありません。しかし逆に子どもの母親である女性に対しても同意は必要ありません。何らかの事情で母親側が認知をしてほしくないという場合であっても説得するという方法しかなく、それを止める法的手段は残念ながらありません。

 認知してくれない場合の強制認知

次にもう一つの認知の種類である強制認知について見ていきます。

子ども側から求める強制認知

一方で子どもから父親に対して認知を求めて行うのが強制認知です。

父親である男性にはすでに別の家族があるといった男性側の事情で、なかなか任意の認知をしてもらえない場合もあります。そういった場合には家庭裁判所に認知の調停の申し立て等をすることができます。裁判所の管理の元、当事者間で話し合いを進め合意に至れば認知をしてもらうことができます。

強制認知は原則として父親である男性が生きている場合に限られます。父親である男性が死亡した場合には検察官を相手として提起することになります。

強制認知の方法は一つではありません

認知の調停申し立ては、非嫡出子に当たる子ども本人の他に直系卑属、法定代理人が申し立てをすることができます。残念ながら家庭裁判所の調停によっても認知されない、合意に至らない場合には、もう一つの手段として認知の訴えを起こすこともできます。

認知の訴えも調停申し立てと同じように父親である男性が生きている場合に限られ、死亡した後は検察官を相手として提起しますが、客観的に死亡が明らかになった日から3年を経過してしまうと認知の訴えを提起することはできなくなりますので注意が必要です。

調停申立や認知の訴えなど時間のかかる手続きであっても、認知が認められればその効力は出生時に遡って発生します。父子関係の扶養義務が生じ、相続権も認められることになります。

おわりに

望まない妊娠をしてしまった場合でも、認知をしてもらうことで法的に子どもの権利や養育費などを守ることができます。もちろん複雑な事情が絡むことも少なくありませんし、解決には問題が多い場合もあるかと思います。

一人で悩まず抱え込まず、どんな解決策があるかまずは認知に詳しい弁護士に相談してみることが解決の糸口になります。何より大切なお子様の将来のことを考え行動していきましょう。

  • 弁護士へ相談を希望される場合には、まずはお気軽に下記フォームからお問い合わせください。24時間以内に、当事務所の仕組みやご相談の流れについての詳細を返信させていただきます。
  • メールの返信により費用が発生することはありませんので、ご安心ください。

-強制認知

Copyright© 松浦綜合法律事務所 , 2020 All Rights Reserved.